冬はやっぱりシンビジューム

AKATSUKA グリーン通信vol.249(2019.12月号)


寒さが本格的になり外の景色が寂しくなってくると、逆に園芸店の店内にはたくさんの花が並び、華やかさが増してきます。
特に冬は洋ランのシーズンでさまざまな種類の洋ランが並びますが、中でもひときわ存在感を発揮しているのはやはりシンビジュームでしょう。
ひと頃のようなボリューム満点の豪華なものはあまり出回りませんが、代わりに手ごろなサイズのものが中心となり、家庭向きの鉢花としての人気を博しています。

気品の漂う美しさとともに、非常に花持ちの良いことがシンビジュームならではの魅力ですが、この時期これほど手間がかからずに長く楽しめる鉢花は他にはありません。
温度条件にもよりますが、ひとつの花が一か月近く持ち、株全体で見ると二か月以上も手間いらずで楽しめます。

ピンク、白、黄色と様々な色合いの品種がありますが、今年のスタッフ一押しは黄色の「煌」(きらめき)です。明るい黄色のふっくらとしたカップ咲きで愛らしく、リップに他の色が入らずスッキリとした花色も新鮮です。さらに葉も細身で株も比較的小柄なので扱いやすく発送も楽に行えます。

●株の選び方
良い株を選ぶポイントですが、なるべく満開に近いものを選ぶことが重要です。
蕾の多い株だと、家庭に持ち帰った場合、温度や湿度不足で立派な花が咲かないことが多く、せっかくの魅力が発揮されません。
逆に生産者のもとでしっかりと開いた花は花弁も厚く、十分に長く楽しむことができます。

●置き場所
家庭での置き場所は、ある程度の明るい室内であれば十分に花は長持ちします。
温度は暖かすぎるよりはむしろ涼しいほうが良く、特にエアコンの風が当たるところは避けなければいけません。

●水やり
冬の間の水やりはやや乾き気味に管理し、用土が乾いたら与えるようにしますが、実際には水が浸み込みにくく、特に暖房の効いた室内だと乾きすぎになってしまうことがあります。
そんな場合は週に一度水を溜めたバケツの中に鉢ごと漬け込んでやると良いでしょう。泡が出てくる状態で1分ほど漬けておくと十分に水を吸ってくれます。

●育てるポイント
丈夫で育てやすいシンビジュームですが、来年も咲かせるためには、いくつかのポイントがあります。その最大のポイントは「芽カキ」です。
今年花を咲かせたバルブ(球状に太った茎)は花が終わった後、春先に株元から新芽を出します。この新芽が秋までに大きく育つと花を付けてくれるのですが、何本も同時に新芽が出てくると栄養不足で一人前にならないのです。
そこで新芽の数を減らす芽カキ作業が必要となります。もったいないと思って、新芽をすべて残してしまうと、花が咲かなくなってしまいます。
最初に伸び始めた芽をひとつだけ残し、後はすべてカキとってしまえば、花を付けるのはとっても簡単になります。

●肥料も忘れずに!
次に肥培管理も大切で、肥料不足では株が育たず、一人前になりません。これには洋ラン専用の緩効性化成肥料がおすすめです。
4月頃に一度鉢の上に置いてやるだけで秋までしっかりと効いてくれるので、大変便利です。

文/グリーンアドバイザー 倉林雪夫


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