朝焼けに
白く輝くプルメリア
拾うを惜しみ 石畳にて ― moki wang
【現代訳】
朝焼けに白く輝いているプルメリア。石畳にあるのも風情があるので、拾ってしまうのがもったいない思いでいる。
心に咲く花 2025年93回 プルメリア
東南アジアのラオスやラテンアメリカのニカラグアの国花になっているプルメリアは、17世紀のフランスの植物学者「シャルル・プルミエ」にちなんで名付けられたと語られています。
甘い香りは世界じゅうで人気があります。熱帯花木を代表する種類として、世界じゅうの熱帯地域で広く植えられているプルメリア。
ハワイでは神聖な花としてレイや髪飾りによく用いられます。バリ島でも歓迎の花として利用される他、朝夕のお供え物にも加えられるそうです。ニュージーランドやサモア、フィジーでもレイに活用されるプルメリア。太平洋の島々の陽射しに輝く姿は、見る人の心も明るく飾ってくれるのでしょう。
先日、沖縄のホテルの入り口に開花したプルメリアを見つけ、思わず足を止めました。純白色のプルメリアの神々しさ。
母がお世話になっている介護老人保健施設がこの名だったため、名前は幾度となく聞いていたのですが、こんなにもきれいな花だということを知らず、私は早速何枚か写真に撮って、母に見せることにしました。
中南米、カリブ海諸国が原産で、300種類以上もあるとのこと。日本では6月から10月頃が花の時期だとされています。
開花期が長いことも、プルメリアが私たちを幸せな気持ちにしてくれる理由の一つなのかもしれません。時々、実ができ、中に羽根のついたタネが入っていて、風が吹くと飛んでいくのだそうです。
「上品」「気品」「恵まれた人」などの花言葉を持つプルメリア。介護老人保健施設で献身的に入所者を支えるスタッフの方々に心から感謝しつつ、プルメリアの花を施設の人々も観ることができたらいいなあ、と思うのでした。
プルメリアの香りを自宅で楽しむことのできるルームフレグランスやお香もあるとのこと。一度ぜひ購入して、母や施設の人たちと味わいたいと思っております。鉢植えや挿し木でも育てられるプルメリア。これからもたくさんの人々をその芳香と美しさで魅了してほしいと願っています。
田中章義(たなか あきよし)さん
歌人・作家。静岡市生まれ。大学在学中に「キャラメル」で第36回角川短歌賞を受賞。2001年、国連WAFUNIF親善大使に就任。國學院大學「和歌講座」講師、ふじのくに地球環境史ミュージアム客員教授も務める。『世界で1000年生きている言葉』(PHP文庫)の他、歌集『天地(あめつち)のたから』(角川学芸出版)、『野口英世の母シカ』(白水社)など著書多数。
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