納豆パワーを味方につける

星澤幸子の和食のチカラ 2023年10月-11月 納豆


日本を代表する発酵食品である納豆。健康をテーマにしたテレビ番組などで頻繁に取り上げられるので、体にいい食品というイメージはみなさんお持ちだと思います。毎日の朝食には納豆が欠かせない、という人も多いはず。

古くは弥生時代にできたという説、聖徳太子、平安時代に東北地方に遠征した源義家、戦国時代に朝鮮出兵した加藤清正、それぞれの歴史的人物がその起源だという説もあるそうです。いずれにせよ、煮た、あるいは茹でた大豆が偶然、藁と出会い、納豆菌によって発酵することであの独特のネバネバが生み出され美味しくなった、というストーリーは共通です。

ひと口に「体にいい」といっても、どんな栄養素や健康効果を持つのかご存じでしょうか。日本人の健康を支えてきた納豆のパワーの源は、私たちの体に必要不可欠な5大栄養素、たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルのすべてが含まれていること。血栓予防に効くとも言われるナットウキナーゼ、女性ホルモンのような働きをもつ大豆イソフラボン、脂質の代謝に効果があるサポニン、腸内細菌を元気にする食物繊維、必須アミノ酸のひとつトリプトファン、ビタミンB2やビタミンK、鉄や亜鉛やカルシウムなどうれしい健康効果を持つ栄養素が充実しています。

これだけのパワーを持つ食材なのですから、ご飯にかけて食べるだけではなく、幅広い調理法で日々の食卓に取り入れたいものです。
そこで、今回は、同じ発酵食品であるキムチと合わせて発酵パワーをアップさせた「キムチ納豆餃子」、寒くなるこれからの季節にうれしい、旬のカボチャや豚肉と合わせた汁もの「カボチャと豚の納豆汁」をご紹介します。

我が国が誇るスーパーフード、納豆の力を味方につけて、ご家族の健康を守っていきましょう。

このページでご紹介するレシピ


キムチと合わせて発酵パワーが倍増
キムチ納豆餃子

【材料】(2人分)
キムチ漬け 100g/納豆 3パック/パイロゲン キャップ1杯/長ネギ 1本/ゴマ油 大さじ1杯/餃子の皮 20枚/油 大さじ1杯

【作り方】

  1. キムチ漬けは細かく切ります。納豆はよく練り混ぜ、長ネギは粗みじん切りにします。
  2. ボウルに❶の材料とパイロゲンとゴマ油を加えて混ぜます。
  3. 皮の直径と同じくらいの器に水を付けて皮の端を濡らし、❷をのせ、皮の端を持つようにして包みます。
  4. フライパンに油を熱し、❸の餃子を焼きます。軽く焼き色がついたら、水大さじ3杯を入れ、フタをして蒸し焼きにしまず。皮が透明になり、水気が無くなったら皿に取ります。

餃子の餡を混ぜる前にパイロゲンを。

皮の直径ほどの器を使えばきれいに手際よく水で濡らすことができます。

軽く焼き色がついたこと確認してから水を入れましょう。

納豆後乗せでお手軽かつニオイも気にならない
カボチャと豚の納豆汁

【材料】(2人分)
カボチャ 200g/豚こま切れ肉 50g/長ネギ 1/2本/小粒納豆 2パック/水 カップ2杯
【調味料】
味噌 大さじ2杯/みりん、しょうゆ 各少々/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. カボチャは種を取って一口大に切り、豚肉は食べやすいサイズにちぎります。長ネギは2cmのぶつ切り、青身は小口切りにします。納豆はよく混ぜておきます。
  2. 鍋に少しのお湯を沸かして、豚肉を湯通しし、白っぽくなったら湯切りします。
  3. 空いた鍋に分量の水とカボチャ、長ネギを入れて火を通し、火を止めてから調味料とパイロゲンを加えます。
  4. お椀に盛ってから納豆とネギの青味をのせ、混ぜながらいただきます。

具材はあらかじめ切りそろえておきましょう。

豚肉は白っぽくなるまで湯通しをしておきます。

ボウルに調味料とパイロゲンを合わせておき、火を止めてから入れます。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌