バタフライガーデン 蝶を呼ぶ花々

AKATSUKA グリーン通信vol.264  2021.3月号


庭のスタイルは様々ですが基本は植物が主役です。その中で唯一、バタフライガーデンだけは蝶が主役の庭です。広い意味ではビオトープガーデンの中の一つで、近年にわかに注目されている植栽方法です。

バタフライガーデンと一口に言っても、草原を模したメドウガーデンにエキナセアを植栽したり、休耕田にフジバカマなどを植栽したり、ボーダーガーデンにモナルダやブッドレア、ネペタなどを植栽したりと多種多様ですが決まりは一つだけです。

それは「蝶を呼ぶ目的で植物を植える」ということです。他に厳密な決まりはないので、誰でも簡単に作ることができます。花壇にヒャクニチソウを植えるだけでも立派なバタフライガーデンです。

ただ、蝶を呼ぶために植える植物はなんでもいいというわけではありません。蝶が好む植物を選び組み合わせる必要があります。

一般的なバタフライガーデンでは主に「蜜源植物」と呼ばれる植物を使います。蜜源植物はミツバチ飼育においてはちみつを採るための花としてよく知られていますが、バタフライガーデンの場合では蝶が好んで蜜を吸いに訪れる植物のことを指します。

蜜源植物によく使われる植物にはランタナ、サンジャクバーベナ、ブッドレア、エキナセア、ペンタス、アベリア、ルドベキア、ジニア、マリーゴールド、アガスターシェなどがあります。

ブッドレア

エキナセア

ルドベキア

これらは蝶が好む植物であること以外に丈夫で育てやすく、長期間咲き続けるなどの共通点があります。特に小花が多く開花期間が長いキク科やシソ科の植物は種類も豊富で取り入れやすい仲間です。そしてこれらの植物を他の植物とうまく組み合わせることでより美しいガーデンが作れます。

【植栽のポイント】

「いつも何かの花が咲いているように植物を組み合わせること」、「様々な花色の植物を使うこと」、「色々な高さの植物を植えること」を意識しましょう。
その理由は大きく3つです。

  1. 発生時期が異なる…種類によって3~11月頃までと時期に幅があります。
  2. 飛翔する高さが異なる…シジミチョウなどは低い所を、アゲハチョウなどは高い所を飛ぶなど、種類によってさまざまです。
  3. 識別できる色が異なる…例えばモンシロチョウなどは花の赤色が認識できません。

サルビアとアゲハ蝶

もう一つ、蝶を呼ぶには食草を植栽するという方法があります。
食草とは蝶の幼虫が食べる植物のことで、蝶の種類によって食草も異なります。

アゲハチョウの仲間の多くはミカンやサンショウなどのミカン科植物、モンシロチョウはキャベツなどのアブラナ科植物、日本の国蝶であるオオムラサキはエノキ、といったようにそれぞれ幼虫の食べる植物が決まっています。

エノキのように大木になるものはたやすく植えられませんが、柑橘類や低木、草本性植物であればうまく取り入れることでより多くの種類の蝶を呼ぶことができます。このような蝶の習性を知ることは、より多くの蝶を呼ぶための近道になります。

上記の方法のどちらでも蝶をお庭に呼ぶことができます。ご興味のある方はぜひ一度チャレンジしてみてください。
里山など身近な自然環境が見直されている今、お花に訪れる小さな訪問者たちにもちょっとだけ目を向けてみてはいかがですか。

百日草とアゲハ蝶


文/工藤 一成


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