星澤幸子の和食のチカラ 2025年4月- 5月 春のお出かけお弁当メニュー
お弁当とお味噌はまさに日本の食文化
木々が芽吹き、さまざまな花が咲き始める春の行楽シーズン。お弁当を持って、家族で、あるいは友人とお出かけする機会もあるかと思います。自然の中でいただくお弁当は、そのおいしさも格別ですね。
私が住む札幌の大通公園では、例年、ライラックが咲き誇る5月中旬から「さっぽろライラックまつり」が催され、多くの人で賑わいます。
さて、日本人が大好きなお弁当ですが、その歴史は古く、安土桃山時代にはすでに、漆器のお弁当箱が存在していたそうです。江戸時代になると、庶民も旅行やお花見などを楽しむようになり、その際にはお弁当やお酒が必需品になったようです。お花見の光景を切り取った浮世絵にも、しっかりとお弁当が描かれています。
また、幕の内弁当が、歌舞伎などの芝居見物の幕間に食べられるお弁当として誕生したのも江戸時代です。
日本で食べられるジャポニカ種が、冷めてもおいしくいただけるお米だったことが、ここまでお弁当が普及してきた背景にあると言われています。
近頃では、日本のアニメや漫画が世界中で人気を博していることで、作品の中に登場するお弁当やおにぎりの知名度や人気も上昇しているそうですね。海外から日本を訪れた若者が、食べるのが念願だったというおにぎりをおいしそうに頬張る映像を見たこともあります。
今回は、春の日のお出かけに持っていくお弁当、そこに入れてほしいメニューをご紹介します。
ひとつ目は、「焼きしめ鯖(さば)のシソむすび」。具の焼きしめ鯖はショウガ醤油風味で、さらに海苔ではなく、シソと味噌で巻いた、いつもとはひと味違うおにぎりです。
また、ふたつ目のレシピは、「豚とトマトの味噌串焼き」です。豚肉とトマト、長ネギの串焼きに、さらに味噌だれをぬって焼くことで、香ばしい味噌の風味が楽しめます。
ふたつとも、日本が誇る伝統的な発酵調味料であるお味噌を使ったヘルシーメニューです。ぜひ、楽しい特別な日のお弁当に加えてください。
このページでご紹介するレシピ
ちょっと大人の変わりおむすび
焼きしめ鯖のシソむすび

【材料】(4個分)
しめ鯖 1枚
油 大さじ1/2杯
おろしショウガ 小さじ1杯
しょうゆ 小さじ1杯
コショウ 少々
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
ご飯 4膳
青シソ 8枚
味噌 小さじ2杯
白ゴマ 少々

【作り方】
- しめ鯖は1cm幅に切ります。フライパンに油を熱し、鯖を入れて焼き、火が通ったらおろしショウガ、しょうゆ、コショウ、パイロゲンを混ぜます。
- ラップにご飯1膳分をのせて形を作ったら、青シソに味噌を薄くぬり、おむすびの両面に貼り付けます。
- 中心に①(1/4量)をのせます。同様に全部で4個作り、白ゴマをあしらいます。

シソに薄く味噌をぬっておく。

鯖に火が通ったら、おろしショウガ、しょうゆ、コショウを入れ、さらにパイロゲンを加える。

おむすびの中央に、焼きしめ鯖をのせる。
焼き味噌風味のごちそう
豚とトマトの味噌串焼き

【材料】(2人分)
豚コマ切れ肉 200g
酒、しょうゆ 各小さじ2杯
片栗粉 大さじ1杯
ミニトマト 6個
長ネギ 1/2本
串 6本
油 大さじ1杯
一味唐辛子 少々
【味噌だれ】
味噌 大さじ2杯
てんさい糖、酒 各大さじ1杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)

【作り方】
- 豚コマ切れ肉に、酒としょうゆで下味をつけ、片栗粉をまぶし12等分にします。長ネギは3cm長さに切ります。味噌だれは、パイロゲンと混ぜ合わせておきます。
- 串に豚肉、ミニトマト、長ネギ、肉の順に刺します。
- フライパンに油を熱して②を焼き、焼き色がついたら返し、味噌だれをぬって、フタをして弱火でゆっくり火を通します。一味唐辛子をふっていただきます。

串には豚肉、トマト、長ネギ、豚肉の順で刺していく。

味噌だれの仕上げにはパイロゲンを。

味噌だれをぬった後は弱火でゆっくりと火を通す。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com