じつは栄養満点の食材、あんこだけではもったいない!

星澤幸子の和食のチカラ 2022年1月-2月 小豆(あずき)


和菓子に欠かせないあんこの材料、そしてお赤飯、小正月には小豆粥を食べる風習もある、縁起物としてもありがたい小豆。お手玉の中に入っていたり、楽器として使用したりと日本人にとっては、古くからなじみのある大切な食材です。
縄文時代の遺跡から発掘されていますし、『古事記』にも記述があるそうですから、その付き合いの歴史も相当なものです。
そして、じつは私が生まれ育って現在も活動を続ける北海道で、その8割以上を生産しています。

また、栄養面でもとても優れている食材で、食物繊維やタンパク質、ビタミンB群、、鉄やカリウムといったミネラル、さらにはコレステロール値を下げてくれるサポニン、強い抗酸化作用によりアンチエイジングに効果があるポリフェノールなど、さまざまな注目の栄養素をバランスよく含んでいます。これだけ栄養満点の小豆ですから、和菓子としていただくだけでなく、日々の食事に上手に取り入れたいものです。

そこで今回は、和洋それぞれのお料理に使ってみました。カボチャと合わせたグラタンと小豆のかき揚げです。どちらも、小さなお子さんからお年寄りまで、喜んでいただけるメニュ―です。縁起のいい小豆でご家族の健康もお守りください。

このページでご紹介するレシピ


子どもから大人まで楽しめるお手軽メニュー
かぼちゃとあずきのグラタン

【材料】(2人分)
カボチャ 300g/タマネギ 1個/ベーコン 3枚/塩、コショウ 少々/水 適量/パイロゲン キャップ1杯/小豆の水煮 カップ1杯/牛乳 カップ1杯/シュレッドチーズ 100g

【作り方】

  1. 小豆は水切りします。カボチャは食べやすい大きさのひと口大に切ります。タマネギは千切りに、ベーコンは1cm幅に切ります。
  2. 鍋にカボチャ、タマネギ、ベーコンを入れて、材料が半分浸る程度の水とパイロゲンを加え、塩、コショウをして火にかけます。
  3. 材料に火が通ったら牛乳を加えてひと煮立ちさせ、小豆の水煮を加えて耐熱皿に移します。シュレッドチーズを散らし、オーブントースターで焼き色がつくまで焼きます。

鍋を火にかける前にパイロゲンを。

牛乳を入れひと煮立ちしたところで最後に小豆をいれます。

耐熱皿に移した上からシュレッドチーズを。

いつもとはひと味違った栄養かき揚げ
小豆のかき揚げ

【材料】(2人分)
茹で小豆 1缶/青じそ 5枚/小麦粉 大さじ2杯/片栗粉 大さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯/白ゴマ 大さじ1/2杯/ショウガ 1片/油 適量/塩 少々

【作り方】

  1. 小豆は汁を切ってボウルに入れ、青じそとショウガを千切りにして加え、小麦粉、片栗粉、パイロゲン、ゴマを入れて混ぜます。
  2. 鍋に2cm厚さの油を熱し、生地を木べらにのせてすべらせるように入れ、揚げ焼きします。お好みで塩を振ります。

青じそとショウガはあらかじめ千切りに。

パイロゲンを入れてから混ぜましょう。

生地は木べらから静かに滑らせるように。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌