爽やかな夏の北海道気分を食卓に

星澤幸子の和食のチカラ 2022年8月-9月 北海道の名物料理


涼しく爽やかな気候を求めて、夏の北海道を訪れる方も多いことと思います。今月は食卓で旅行気分を味わっていただくために、北海道の名物料理2品のレシピをご紹介します。

1品目はザンタレ。ザンギというメニューは聞いたことがあるでしょう。お子様から大人までが大好きな鶏のから揚げの北海道版とでも言いましょうか。ザンギは油で揚げる前に鶏肉にしっかりと味付けしているのが特長です。道東の釧路市の鶏料理店「鳥松」さんが発祥と言われています。昭和30年ごろのある日、鶏一羽をぶつ切りにして唐揚げにしたところ好評だったことから始まり、今や釧路のみならず北海道を代表するメニューとなりました。

ザンギという名前は、「鳥松」の店主さんが、中国料理の鶏のから揚げ「炸鶏(ザーギー)の真ん中に「運がつく」ようにと「ン」を入れてザンギと呼ぶようになったと言われています。

最近では、そのザンギに甘辛いタレをかけた「ザンタレ」というメニューも人気です。こちらはやはり釧路市の「南蛮酊(なんばんてい)」というお店が発祥と言われています。今回はこのザンギの進化系とも言えるザンタレに挑戦してみましょう。

2品目は、道南の松前町が発祥と言われる松前漬け。江戸時代の後期から作られてきた北海道の代表的料理です。かつてはニシンが大量に獲れて、数の子も現在とは違って安く手に入る食材だったので、その数の子にスルメと昆布を合わせて塩で漬け込んだものが原点です。その後、数の子が高級食材となり、スルメや昆布の割合が増え、味も醤油ベースに変わってきたものが現在の松前漬けです。

今回の主役は数の子ではなく切り干し大根。ヘルシーでリーズナブルな松前漬けです。
ぜひ食卓で、北海道の風味を感じてみてください。

このページでご紹介するレシピ


北海道名物ザンギの進化系
甘辛ザンタレ

【材料】(2人分)
鶏もも肉 1枚/しょうゆ、酒 各大さじ1杯/コショウ  少々/ショウガ 1片/ニンニク 1片/パイロゲン キャップ1杯/卵 1個/小麦粉、片栗粉 各大さじ2杯/揚げ油 適量

【付け合せ】
レタス、レモンなど 各適量

【タレの調味料】
しょうゆ 大さじ2杯/てんさい糖 大さじ1杯/酢 大さじ1杯/豆板醤 小さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. 鶏もも肉は3cm程のひと口大に切ってポリ袋に入れ、調味料、すりおろしたショウガ、ニンニク、さらにパイロゲンを加えて良く混ぜ、30分程置きます。
  2. 卵を加えて手で揉むようにして絡め、小麦粉と片栗粉を入れてさらに良く混ぜます。
  3. タレの調味料とパイロゲンはボールに合わせておきます。
  4. 高温の油に鶏肉を入れて、カリッとなるまで揚げます。揚げたてをすぐ調味料と絡めて少し置いて味をしみ込ませます。
  5. 器に盛り、レタスとレモンを添えます。

鶏肉につける下味の仕上げにもパイロゲンを。

調味料、ニンニク、ショウガを入れたらよくもみこんで。

ピリ辛のかけダレにもパイロゲンを加えましょう。

ヘルシー&リーズナブルなご飯のお供
切り干し大根の松前漬け

【材料】(2人分)
切り干し大根 30g/ニンジン 50g/さきイカ 30g/細切り昆布 5g/しょう油、みりん、酒、酢 各大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. 切り干し大根はぬるま湯に浸して戻し、しっかりと水気を絞ります。ニンジンは千切りにします。さきイカは細かく手で割きます。
  2. 調味料を小鍋に入れて火にかけ、沸騰したら火からおろして粗熱を取りパイロゲンを入れます。
  3. ポリ袋に調味料、材料を入れて混ぜて空気を抜いて縛ります。
  4. 半日程置いて味をなじませます。

ニンジンは細めの千切りに。

火にかけた調味料は鍋からおろして粗熱がとれてからパイロゲンを。

ポリ袋に入れて空気を抜き、半日ほど味をなじませて。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌