酵素パワーを毎日の食事に取り入れる

星澤幸子の和食のチカラ 2024年2月- 3月 食物酵素の力


「酵素」というと体によいイメージがあるかと思いますが、具体的に何?と聞かれても答えられる人は少ないのでは、と思います。

酵素とは、私たちの体の中で起こっているさまざまな化学反応、代謝や食べたものの消化などに必要なたんぱく質のことで、約5000種類もの酵素が体内に存在していると言われています。これらは「体内酵素」と呼ばれているのですが、残念なことに年齢とともに、酵素の量が少なくなるとも言われています。

そこで、大切になるのが食事です。野菜や果物、そして発酵食品や魚などにも酵素が豊富に含まれ、その「食物酵素」を摂取することで、体内酵素の働きを補うことができるのです。

酵素の働きの中でも重要な役割である消化については、3種類の酵素が知られており、その名前を耳にしたことがあるかもしれません。たんぱく質を分解するプロテアーゼ、でんぷんを分解するアミラーゼ、脂質を分解するリパーゼです。

ただし、酵素は熱に弱く、70度以上になると効果は失われてしまうので、加熱しないで食べることが重要です。“酵素をとるためにスムージーを”と言われるのもそのためです。
今回は、「食物酵素」を上手に取り入れるためのレシピをご紹介します。まずは「タマネギとリンゴのシャキシャキサラダ」。タマネギやリンゴには、たんぱく質を分解するプロテアーゼが含まれており、お肉料理と合わせたいレシピです。二つ目は、「大根と手羽先のレモン蒸し」です。大根には、でんぷんを分解するアミラーゼと脂質を分解するリパーゼが豊富に含まれています。手羽先と一緒に蒸した大根は、高温で酵素の働きが失われています。酵素の効果を得るために、仕上げに大根おろしを添えて召し上がってください。

食物酵素を上手にメニューに取り入れて、ご家族の健康を守りましょう。


お肉の消化を助ける、さっぱり爽やかサラダ
タマネギとリンゴのシャキシャキサラダ

【材料】(2人分)
タマネギ 1個/リンゴ 1/2個/水菜 1株/生ハム 4枚/チーズ 30g/塩、コショウ 各少々/オリーブオイル 大さじ2杯/酢 大さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. タマネギは細い千切りにして水に放して何度かすすぎ洗いします。リンゴは半分に切ってから芯を取って千切り、水菜は水に浸けてパリッとさせてから4、5cm長さに切り、生ハムは4、5cm四方に切り、チーズは7、8mm角に切ります。
  2. 材料を全てボウルに入れて混ぜ、塩、コショウ、オリーブオイル、酢、パイロゲンを加え、さっくり混ぜて器に盛ります。

千切りにしたタマネギは何度かすすぎ洗いを。

リンゴは皮にも栄養があるので、皮つきのまま千切りに。

仕上げにパイロゲンを入れて、さらに爽やかな酸味をプラス。

火の通った大根と大根おろしで手羽先の旨味を味わう
大根と手羽先のレモン蒸し

【材料】(2人分)
大根 200g/鶏手羽先 4本/白ワイン(又は酒) カップ1/2杯/レモン 1/2個/パセリ 少々

【調味料】
塩 小さじ1/3杯/コショウ 少々/パイロゲン キャップ1杯
※大根おろしを100gほど

【作り方】

  1. 大根は皮をこすり洗いしてから5mm厚さの半月切り、鶏手羽先は関節から先を落として、骨の間に包丁を入れます。
  2. 鍋に大根と鶏手羽先を入れて塩、コショウを振ってレモンをのせ、白ワイン、パイロゲンを加えてフタをして火に掛けます。
  3. 沸騰したら火を弱めて15分程蒸し煮にします。
  4. 器に盛って、みじん切りにしたパセリをあしらいます。

※別皿に大根おろしを添え、一緒にいただきましょう。

手羽先は食べやすいように骨に沿って包丁を入れましょう。

大根、手羽先の上にレモンをのせて、白ワインを注ぐ。

白ワインの後にパイロゲンを。

沸騰したあとに火を弱めて15分蒸し煮に。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌