せめてご飯で旅行気分「第2弾」

星澤幸子の和食のチカラ 2021年9-10月 十勝豚丼(北海道)とおやき(長野)


コロナ禍のもと、なかなか旅行に行けない状況が続いています。そこで今年春にもご紹介して好評だった「おうちご飯で旅行気分“特集”」の第2弾、秋の行楽バージョンです。

今回ご紹介するのは、北海道は十勝地方の名物グルメ「十勝豚丼」(“ぶたどん”と読みます)と長野県の郷土料理「おやき」です。

「十勝豚丼」は、帯広市の大衆食堂「ぱんちょう」(現在は、元祖豚丼ぱんちょう)の創業者が考案したメニュー(昭和8年)。今では、養豚の盛んな十勝地方ならではの名物料理となっています。豚肉を砂糖としょうゆなどを使った甘辛いタレで焼いて、ご飯にのせた丼で、今回はトッピングに白髪ネギをあしらいました(グリーンピースを使うお店も多い)。

もう一品の「おやき」は長野県内を旅するとあちこちで目にする、長野を代表する郷土料理です。小麦粉やそば粉などを水で溶いて練った生地に、野菜や山菜、野沢菜漬け(これも長野を代表する漬けもの)で作った餡を包んで焼いたもの。急峻な地形や寒冷地であるなど、稲作に不向きだった土地で古くから食されていた歴史あるソウルフードです。

土地ごとに、その風土にあった多様な郷土料理が存在する日本。その土地の歴史や風土に思いを馳せながら、お家で旅気分を味わってみてはいかがでしょう。

このページでご紹介するレシピ


道東地方の名物グルメ
十勝豚丼

【材料】(2人分)
豚バラ肉(脂の少ない所) 5枚/油 大さじ1/2杯/長ネギ 1/2本/ご飯 2膳

【調味料】
しょうゆ 大さじ2杯/てんさい糖 大さじ2杯/水 大さじ1杯/酒 大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. 豚バラ肉は半分の長さに切って、油を熱したフライパンで両面ゆっくり油を出すように焼き、余計な油は捨てます。長ネギは縦半分の斜め千切りにし、水でよくすすぎます。
  2. フライパンにてんさい糖、水を入れて火にかけて焦がします。てんさい糖がカラメル状になってきたら、酒、しょうゆを加えてタレを作ります。
  3. ②に豚肉を加えてタレにからめ、仕上げにパイロゲンを加えます。
  4. 焼きあがった豚肉を、丼に盛ったご飯の上に並べます。
  5. 長ネギの千切りを天盛りにして、粗みじん唐辛子をかけます。

千切りにした長ネギは水ですすいでおきましょう。

てんさい糖は水を加えて、フライパンで熱してカラメル状に。

豚肉にタレをからめたら、仕上げにパイロゲンを。

焼きあがった豚肉をバットに取り出し、丼に盛ったご飯の上に。

長野県のヘルシー郷土料理
おやき

【材料】(8個分)
《皮》薄力粉 300g/ベーキングパウダー 小さじ1杯/塩 少々/湯 180cc
《大根と野沢菜漬けの餡》大根 300g/ニンジン 100g/塩 小さじ1/2杯/野沢菜漬け 50g/油 大さじ1杯

【調味料】
パイロゲン キャップ1杯/みそ 大さじ1杯/てんさい糖 小さじ1杯

【作り方】

  1. 小麦粉にベーキングパウダー、塩を混ぜてから、ぬるま湯を入れて滑らかになるまで練り、ラップを掛けて10分程寝かせます。
  2. 大根とニンジンは皮をこすり洗いして、千切りつき器でついてそれぞれ塩もみして、出てきた水を絞ります。野沢菜漬けは小口切りにします。
  3. 鍋に油を熱して大根とニンジン、野沢菜を炒めてから、パイロゲンと調味料を加えて味付けします。
  4. 皮を8等分にして伸ばして、8等分した餡を包みます。
  5. フライパンに少量の油をひき、表面を下にして、フタをして弱火で焼きます。焼き色が付いたのを確認して返し、さらに10分程焼きます。

生地はラップをかけて10分くらい寝かせましょう。

餡は十分に水気をきっておきます。

8等分にして延ばした生地で餡を包んで、おまんじゅう状に。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌