食欲が落ちる盛夏、お手軽で栄養満点の丼はいかが

星澤幸子の和食のチカラ 2023年7月-8月 夏のスタミナ丼


梅雨が明け、例年にも増して厳しい暑さが日本中を覆っています。
こうなると、食欲も落ちてさっぱりとしたものばかりを求めがちになります。「お昼はそうめんでいいか」、そんな声が聞こえてきそうです。
でも、夏バテの時こそ、本来は体が求めている疲労回復につながる食事が必要です。今回は、夏にこそ食べたい栄養満点の丼メニューをご紹介します。

メインになる食材は、イワシと豚肉。
イワシは前回ご紹介した鯖と同じ青魚(背が青い魚の総称)です。不飽和脂肪酸のDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)が豊富。血液をサラサラにして動脈硬化を防ぐ効果が期待できます。また、ビタミンB群やビタミンD、さらには鉄、亜鉛、カルシウムなどのミネラルも多く含まれています。特にビタミンB群は疲労回復にお役立ちの栄養素です。
今回はそのイワシをかば焼きにしてみました。

また、もう一品の豚肉メインの丼は、すきやき風です。
豚肉は高タンパク質で、季節を問わず積極的に食卓にあげたい食材ですが、疲労回復におすすめのビタミンB1が豊富なこともあり、暑さに体力を奪われる夏場にこそ食べてほしいと思います。また、他にもビタミンB群のビタミンB12、ナイアシンといった重要な栄養素が含まれ、さらには鉄分も豊富。鉄分が不足しがちな女性にとっては大切な食材と言えます。

健康な体は、日々食べたものからつくられます。あなたとご家族が連日の猛暑を乗り切るためにも、夏のお料理をおろそかにしないよう心掛けたいものです。

※調味料のてんさい糖がない場合は普通のお砂糖をお使いください。

このページでご紹介するレシピ


かば焼きの風味でご飯がすすむ
イワシのかば焼き丼

【材料】(2人分)
イワシ 2尾/小麦粉 少々/油 大さじ1/海苔 1枚/ご飯 2膳分/甘酢ショウガ 適量/山椒の葉(木の芽) 少々

【調味料】
しょうゆ、てんさい糖、酒 各大さじ1.5杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. イワシは頭と内臓を包丁で取ってサッと洗い、3枚におろして中骨を取ります。
  2. イワシと小麦粉をポリ袋に入れ、よくふって全体にまぶします。パイロゲンと調味料は合わせておきます。
  3. フライパンに油を入れて火にかけ、皮目から焼き、返して両面カリッと焼きます。調味料を一度に加えてイワシとからませます。
  4. ちぎった海苔をご飯にのせ、イワシを2枚のせて粉山椒を振り、甘酢ショウガをあしらいます。

イワシは3枚におろして中骨を取っておきます。

あらかじめ調味料にパイロゲンを合わせておきましょう。

フライパンで焼くときには、まず皮目から。

みんな大好き、すき焼き風味の豚丼
豚のすき焼き風丼

【材料】(2人分)
豚こま切れ肉 100g/タマネギ 1個/生シイタケ 2個/卵 1個/油 大さじ1杯/ご飯 2膳分

【調味料】
しょうゆ、てんさい糖、酒 各大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯/ネギなど付け合わせのみどり 適量

【作り方】

  1. タマネギは1cm厚さの半月に切り、生シイタケは斜めに4等分に切ります。
  2. 鍋に油を入れて火に掛け、肉を広げながら入れ、タマネギも断面を鍋肌に付けて両面焼きます。
  3. 調味料とパイロゲンを混ぜて加え、シイタケを加えて火を落として味をなじませます。
  4. 味がなじんだら卵をといて入れ、火をとめ、ご飯に盛り付けます。

タマネギと生シイタケを切っておきます。付け合わせのみどりはネギの青い部分を小口切りにしたものを使用。

肉とタマネギは軽く焦げ目がつくまで焼いてください。

パイロゲンは調味料を入れるタイミングでいっしょに。

とき卵を入れるのは、豚肉や野菜に味がなじんでから。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
https://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌