夏場をひかえて、食物繊維で腸内環境を整えましょう

星澤幸子の和食のチカラ 2021年6-7月 腸内細菌のごちそう、食物繊維をたっぷり摂れるレシピ


野菜や豆類、海藻、穀物などに多く含まれている食物繊維。実は第6の栄養素とも言われる重要な成分なのです。

水に溶ける水溶性の食物繊維と、水には溶けない不溶性食物繊維があり、ともに私たちの健康にとって、重要な役割を担っています。

水に溶けるとドロドロのゼリー状になる水溶性の食物繊維は、小腸での栄養素の吸収を穏やかにして、血糖値の急上昇を防ぎます。また、コレステロールなどを吸着して便と一緒に排出するなどのうれしい働きも確認されています。
不溶性の食物繊維は、胃腸で水分を吸収し、便の量を増やすとともに、有害な物質を便と一緒に排出してくれます。水溶性・不溶性ともに、便秘に悩む方には必須の栄養素と言えるでしょう。

さらに、食物繊維は腸内細菌の大好物でもあるのです。善玉菌優勢の健全な腸内環境は、腸内細菌が喜ぶ食生活によってつくられます。そのためには、食物繊維を意識的に多く摂る食事が大切です。

今回は、ニンジンや大豆、小松菜、ごはんなど食物繊維がしっかり摂れるヘルシーレシピをご紹介します。ご家族の健やかな腸内環境のために、ぜひお試しください。


まるごと1本、ごはんのおかずに、お酒のおつまみにも
ニンジンのバーニャカウダー風

【材料】(2人分)
ニンジン 1本/油(茹で用) 少々/油(焼き用) 大さじ1/2杯/塩、コショウ 各少々

【バーニャカウダー風ソース】
サンマかば焼き缶 or イワシのかば焼き缶 1缶/おろしニンニク 小1片分/オリーブオイル 大さじ1杯/水 大さじ4杯/
塩、コショウ、しょうゆ 各少々/パイロゲン キャップ1杯/パセリのみじん切り 少々

【作り方】

  1. ニンジンは皮をこすり洗いして、縦4等分にします。鍋に湯と油少々を入れて3分ほど茹でます。
  2. フライパンに油大さじ1/2を入れ、、お湯を切ったニンジンを並べ、塩とコショウをふってフタをして蒸し焼きにします。
  3. バーニャカウダー風ソースは、すり鉢にサンマ(あるいはイワシ)のかば焼きを汁ごと入れてすりつぶし、他の材料とパイロゲンと調味料をすべて加えて混ぜ合わせます。
  4. ニンジンに箸が刺さる程度まで火がとおったら、皿に盛り、③のバーニャカウダー風ソースを添え、お好みでパセリのみじん切りをあしらいます。

湯に油を少々入れて、色鮮やかな茹で上がりに。

ニンジンはシンプルな味付けに。

ソースの味の決め手はパイロゲンのほのかな酸味

食物繊維が豊富、おなか満足スープ
小松菜と大豆の食べるスープ

【材料】(4人分)
小松菜 1株/茹で大豆 カップ1杯/ごはん 1膳/ベーコン 2枚/タマネギ 1個/バター 大さじ1杯/豆乳 カップ2杯/水 カップ1杯/
塩 小さじ1杯/コショウ 少々/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. 小松菜はみじん切りにします。ベーコンは1cm幅、玉ねぎは千切りにします。
  2. 鍋にバターを溶かしてタマネギとベーコンを炒め、さらに茹で大豆とご飯を入れてフタをして弱火で蒸し煮します。
  3. タマネギがしんなりしたら小松菜と豆乳、水、パイロゲンを入れて沸騰させ、塩とコショウで味を整えます。

材料はあらかじめ切りそろえておきましょう。

まずは弱火で蒸し煮に。

豆乳と水を入れる際、パイロゲンを忘れずに。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌