食欲不振に陥りがちな夏のおすすめレシピ

星澤幸子の和食のチカラ 2021年8-9月 ニンニク風味スタミナメニュー


スタミナ食材の代名詞ともいえるニンニク。栄養価が高く、体にうれしい成分に含まれています。暑さが厳しい夏場、食欲が減退する時期にはパワーを発揮します。

その歴史は古く、紀元前3000年以上も前から古代エジプトで栽培され食されていたそうで、薬として使われていたとの記述もあります。

ニンニクの香り成分であるアリシンは、殺菌・抗菌作用が強く、細菌やウイルスから体を守ってくれるうえ、腸内環境を善玉菌優位に整えてくれることで、免疫力アップも期待できるのです。さらに、疲労回復に役立つビタミンB1の吸収を高める効果もあるので、疲れた体にとっての救世主ともいえます。

今回は、たんぱく質が豊富で、強い抗酸化作用をもつタウリンも含むエビやホタテを使い、食欲をそそるカレー風味で仕上げるパエリアと、やはり抗酸化作用のあるリコピンを豊富に含むトマトの冷製スープをご紹介します。トマトの冷製スープはポーチドエッグを入りですから、食欲がないときは、この一品だけで済ませてもよいでしょう。

盛夏から残暑へとむかう時期、スタミナ食材を上手に使ったレシピで家族の健康を守りましょう。


食欲そそるカレー風味のスタミナパエリア
魚介のカレーパエリア

【材料】(4人分)
米 2合/ベビーホタテ 8個/アサリ 200g/エビ 4尾/タマネギ 1/2個/ニンニク 2片/油 大さじ1杯/パセリ 少々/レモン 1個/米を浸していた水 カップ1・1/2杯

【調味料】
カレー粉、酒 各大さじ1杯/塩、しょうゆ 各小さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. 米は作る30分前に研いで浸しておきます。アサリは殻をこすり洗いして塩水に浸して砂出しし、エビは塩水で洗います。タマネギはみじん切り、ニンニクは薄切りします。
  2. フライパンに油を熱してニンニクの香りを出してから、タマネギを炒めてしんなりさせ、ホタテ、アサリ、エビを入れて炒めて取り出します。
  3. 魚介を炒めたフライパンに、水気を切った米を入れて炒め、そこに水とパイロゲンと調味料を加えます。
    全体を混ぜながら水分を米に吸わせ、ホタテ、アサリ、エビをバランスよく配置してから蓋をして弱い火で15分。さらに火を止めて10分蒸らし、レモンを添えパセリを散らしていただきます。

炒めた魚介は、いったんフライパンから取り出します。

炒めたお米に、調味料とともにパイロゲンを加えます。

魚介を戻すときには、全体のバランスを考え均等におきましょう。

食欲不振にうれしい冷製スタミナスープ
トマトのポーチドエッグの冷製スープ

【材料】(2人分)
トマト完熟 2個/ニンニク 少々/かつお節 少々/卵 2個/キュウリ 少々

【調味料】
塩、コショウ 少々/オリーブオイル 大さじ1杯/レモン汁又は酢 大さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. トマトは大まかに切ってミキサーに入れ、細かくもんだかつお節、少量のニンニクをすりおろして加え、さらに塩コショウ、オリーブオイル、レモン汁、パイロゲンを加えて、きめ細かくなるまでまわし、冷蔵庫で冷やします。
  2. 鍋に湯を少し沸かし、卵を割って静かに入れて半熟になったら取り出します。
  3. 冷めたらスープ皿の真ん中に入れて、冷たいトマトスープを注ぎ、
    5mm角に切ったキュウリをあしらいます。

完熟トマトは写真のように大まかに切って。

ミキサーにかける前に、パイロゲンを忘れずに。

卵は黄身がこわれないように慎重にいれましょう。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌