新米が出回る季節、日本に暮らす幸せを味わう

星澤幸子の和食のチカラ 2023年8月-9月 炊き立てご飯のお供


9月に入ると、今年収穫された新米が出回り始めます。炊き上がりがツヤツヤそしてピカピカさらにふっくらとした新米は、その香り、かみしめた時の甘みを味わえるとあって、毎年、口に運ぶ瞬間を心待ちにしている方も多いかと思います。

ところが、肝心のお米の消費量は年々、減り続けているのです。農林水産省発表の資料によると、国民一人当たりの年間消費量は、1962(昭和37)年の118.3kgをピークに、2020(令和2)年には50.8kgと半分以下に。もはや朝食はパン、お昼は麺類といった方のほうが多数派なのかもしれません。

私は、日本の食文化を守るうえでも、生産者の方々を勇気づけるうえでも、皆さんにもっともっとお米を食べていただきたいと願っています。何といっても栄養豊かであり、さらには、私たち日本人が食べ続けてきた大切な主食なのですから。そしてこれからの季節、ぜひ新米にもトライして、日本に暮らすことの幸せを感じていただければと思います。

お米の主な成分の炭水化物は分解されてブドウ糖になり、脳や体の重要なエネルギー源となります。もちろん、玄米のほうが食物繊維やミネラルが豊富であり、私も発酵玄米が大好きなのですが、白米であっても、たんぱく質やカリウム、カルシウム、マグネシウム、リンなどのミネラル、そしてビタミンB1、B6、ナイアシン、葉酸といったビタミン類が含まれているのです。

今回は、そんな新米をおいしくいただくための、最良のお供となるレシピをご紹介しましょう。「牛肉としめじのしぐれ煮」と「たっぷりキャベツのコロッケ」です。ともに、ご家族の「おかわり」の声が必至のメニューです。
もちろん、ご飯を炊く時のパイロゲンも忘れないようにしたいものですね。


最強のご飯のお供は甘辛風味で高たんぱく
牛肉とシメジのしぐれ煮

【材料】(2人分)
牛薄切り肉 200g/シメジ 2パック/しょうが 1片/細切り昆布 ひとつまみ

【調味料】
しょうゆ 大さじ3杯/酒・水あめ 各大さじ2杯/てんさい糖 大さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯/粗みじん唐辛子 少々

【作り方】

  1. 牛肉は大きめのひと口大に切り、沸騰した湯に入れて色が変わったら取り出して湯切りします。
  2. シメジはサッと水ですすいでから石づきを取ってほぐします。
  3. 鍋に調味料と細切り昆布、パイロゲンを入れて火にかけて、材料をすべて入れます。途中で上下を返して中火で20分程煮ます。フタを取って煮汁を飛ばして火を止め、空気にさらしてツヤを出します。
  4. お好みで粗みじん切り唐辛子を振りかけます。

ひと口大に切った牛肉は沸騰したお湯に入れて。

色が変わったら取り出して湯切りしてください。

パイロゲンは調味料、細切り昆布と一緒に、火にかけるまでに入れて。

鍋のフタを取り、十分に煮汁を飛ばして火を止めます。

ご飯がすすむヘルシーコロッケ
たっぷりキャベツのコロッケ

【材料】(8個分)
キャベツ 250g/小松菜 2株(100g程度)/塩 小さじ1杯/長ネギ 1本/豚ひき肉 100g/パイロゲン キャップ1杯/パン粉 カップ1杯/玉子 1個/コショウ 少々/小麦粉 少々

●天衣
水 カップ1/2杯/小麦粉 カップ1/2杯/パン粉 適量/揚げ油 適量

●ソース
トマトケチャップ・ウスターソース 各適量

●付け合わせ野菜 適量

【作り方】

  1. キャベツと小松菜はみじん切りにしてポリ袋に入れます。そこに分量の塩を加えてもみ、水気をしっかりと切ります。
  2. さらに、みじん切りにした長ネギ、豚ひき肉、パン粉、卵を入れ、コショウとパイロゲンを加えて粘りが出るまでよく混ぜ、8等分にします。
  3. 牛乳に小麦粉を加えて天衣を作ります。小麦粉、天衣、パン粉の順に衣をつけて小判型に形を作ります。
  4. 中温に熱した油でゆっくり中まで火が通るように揚げます。
  5. ソースの調味料を合わせて、付け合わせの野菜はトマトを選びました。

塩でもんだキャベツと小松菜は水気をしっかりと切って。

タネの材料をすべて加えたら最後にパイロゲンを投入し、粘りが出るまでよく混ぜて。

8等分にしたタネは最後にパン粉をつけて小判型に成形します。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌