乳製品を使った春のレシピ

星澤幸子の和食のチカラ 2023年3月-4月 ヨーグルト、チーズ、バター


乳製品と言えば、私の愛する地元である北海道を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。牧場のある雄大な風景は北海道の代名詞でもあります。
実際、生乳の生産量は400万トンを超え、2020年度のシェアは約57%と、都道府県別ではダントツの数字です。
そこで今回は乳製品のヨーグルトやチーズ、バターを使った、春を感じるメニューをご紹介したいと思います。

乳酸菌を含んだ発酵食品であるヨーグルトは、腸内の善玉菌を増やして腸内環境を整えてくれる大切な食材。ただ、腸内細菌のラインナップ(腸内細菌叢・ちょうないさいきんそう)は、指紋に例えられるほど一人ひとりで異なっています。そのため、自分に合った乳細菌を摂取するのが大切です。商品に書かれた菌の名前をチェックした上で、1,2週間しばらく食べ続けてみて、体調がよくなったと思える商品を選びましょう。

また、タンパク質やビタミンA、B1、B2そしてカルシウムなども含まれており、それはチーズも同様です。パンに塗ったり、料理に独特の風味を加えてくれるバターも良質な脂質のほかに、ビタミンやカルシウムが豊富です。
カロリーやコレステロールが気になって控えている方も多いでしょうが、食べすぎに気を付ければ問題ありません。マーガリンを選んでトランス脂肪酸(動脈硬化や心疾患のリスクを指摘され、特に欧米では問題視されています)を摂取してしまうリスクを考えたら、私は断然バターをおすすめします。

ご紹介するレシピは、ヨーグルトとクリームチーズを使い、桜の花をあしらった春らしさ満点の「桜チーズケーキ」とパセリバターの風味が食欲をそそる「シイタケのパセリバター焼き」です。主菜やデザートに栄養満点の乳製品を取り入れ、春の食卓を華やかに彩ってください。

このページでご紹介するレシピ


目と舌で春を味わうデザート
桜チーズケーキ

【材料】(16cmケーキ型1個分)
桜の花の塩漬け 6~8房/桜の葉の塩漬け 10枚/クリームチーズ 200g/ヨーグルト 100g/レモン汁 大さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯/生クリーム 200cc/てんさい糖 50g/粉寒天 2g/カステラ 120g

【作り方】

  1. 生クリームにてんさい糖、粉寒天、水にサッとくぐらせて水気を切った桜の葉の塩漬けを入れ、一度沸騰させます。桜の葉は取り出して、みじん切りにします。
  2. 型にカステラを薄く切って並べて、みじん切りにした桜の葉を敷きます。
  3. クリームチーズは室温にしてなめらかにし、ヨーグルトとレモン汁、パイロゲンを入れて混ぜます。
  4. ①の生クリームにクリームチーズを加えて混ぜて、カステラの上に流して冷やし固めます。
  5. 少し固まったら水で洗った桜の花をのせます。完全に冷やし固めてから切り分けます。

生クリームを沸騰させる際に桜の葉の塩漬けをいれて。

スポンジの上に敷いた桜の葉のみじん切りが風味と食感のアクセント。

クリームチーズ、ヨーグルト、レモン汁にパイロゲンを加えて絶妙な酸味に仕上げる。

パーティメニューにピッタリ、ワインのおつまみにも
シイタケのパセリバター焼き

【材料】(4人分)
生シイタケ 4枚/ベビーホタテ 4個/サンドイッチ用食パン 1枚/パイロゲン キャップ1杯

●パセリバター
バター 大さじ1杯/パセリのみじん切り 大さじ2杯/おろしニンニク 1片分/コショウ 少々

【作り方】

  1. 生シイタケはさっとすすぎ洗いして石付きを取り、軸は薄切りにして、4等分に切ったベビーホタテと一緒に、シイタケの傘にのせ、パイロゲンを振ります。食パンは4等分に切ります。
  2. 室温で柔らかくしたバターとパセリのみじん切り、おろしニンニク、コショウを混ぜ合わせて、パセリバターをつくります。
  3. 切った食パンの上にシイタケをのせ、オーブントースターに入れる前に②のパセリバターをのせます。オーブントースターで焼き、バターが溶けてシイタケに火が通ったら取り出します。

シイタケにのせるベビーホタテは食べやすいように4等分に切ったものを。

パイロゲンはベビーホタテに振りかけます。

オーブントースターで焼く前にパセリバターをのせて。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌