AKATSUKA グリーン通信vol.251(2020.2月号)
寒さの厳しいこの時期にも、暖かな園芸店の店内には華やかな鉢花が並びます。中でもひときわ存在感を発揮しているのがキュートな洋ランの数々です。
特にこの時期には、テーブルの上で楽しめるような小型のものがたくさん出回り、洋ラン栽培を始めるには絶好のシーズンです。
ミニカトレアやミニ胡蝶蘭など、さまざまな種類があり、それぞれに魅力がいっぱいですが、初めての栽培にチャレンジするならデンドロビュームとオンシジュームがオススメです。
ちょっとしたポイントを押さえれば誰でも簡単に咲かせられる洋ランです。
【デンドロビューム】
デンファレやキンギアナム系も近い仲間ですが、基本的なノビル系がオススメです。
洋ランの中では低温に強く成長のリズムが日本の気候に合っているだけでなく、節ごとに花を付けるため、一株にたくさんの花を付けてくれます。さらに品種も多いのでコレクションの楽しみも味わえます。
丈夫で育てやすい洋ランですが、実は花芽を付けるためにはいくつかのポイントがあります。簡単なポイントですが、そのポイントを理解してその通りに管理すればだれでも簡単に花をつけられます。
ポイント① 夏以降は肥料をやらない
秋まで肥料が残ると花が付きません。
5月頃に固形の肥料を少しだけ置き肥するか、または液肥を数回与える程度で十分です。肥料がなくても育ちます。
ポイント② 9月から水を控える
元気に伸びる夏の間は十分に水を与えますが、秋からは水を控えます。
すると成長が止まりバルブが太って充実してきます。この頃から古い葉は落葉します。
ポイント③ 秋の低温に当てる
ある程度の寒さを受けることで、花芽が作られます。
霜には当てないよう注意しながら11月の上中旬まで屋外に置き、寒さに当ててから室内に取り込みます。
ポイント④ 日光に良く当てる
洋ランのなかでも、最も日光を好む種類です。風通しの良い条件なら葉焼けしないので、夏の間も屋外で日光に当てましょう。
ポイント⑤ 水のやりすぎを避ける
着生ランなので、乾燥に強く水切れで枯れる事はありません。
逆に用土が年中湿っていると根腐れしてしまいます。用土が乾くまで待って、それからたっぷりと与えるようにします。冬の間は特に乾きにくいので、水はかなり控えましょう。
【オンシジューム】
アロハイワナガなど、黄色でやや花の大きな基本種がオススメです。
種類は少ないですが、洋ランの中では最強健と言えるほど丈夫で、普通に育てれば確実に花を咲かせてくれる種類です。
良く日に当てて水は用土が乾いてから与えるようにするのだけがポイントで、秋になれば株元から花芽が上がってきます。
唯一気を付けるのがこの時期のナメクジです。爪楊枝のような花芽の先をかじられると花が咲かなくなってしまうので、ナメクジ駆除剤で防除しましょう。
新しいバルブが上に伸びあがり、白い根が空中に露出しますが、そのまま植え替えをしないほうがむしろ良く咲いてくれます。
しかし、バランスが悪くなりすぎるので、3年に一度くらいには株分けし植え替えると良いでしょう。
文/グリーンアドバイザー 倉林雪夫
【アカツカFFCパビリオン】
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