まだまだ寒い時期、ショウガや唐辛子で体を温める

星澤幸子の和食のチカラ 2021年2月-3月 ショウガと唐辛子


冬も終わりに差し掛かろうとしていますが、まだまだ油断はできません。そこで、ショウガや唐辛子を使って、体を内側から温めるレシピをご紹介しましょう。

ショウガの辛味成分であるジンゲロールには、強い殺菌作用があり、かぜのひきはじめにショウガ湯を飲むのも理にかなった先人の知恵なのです。また、加熱するとショウガオールという成分に変化し、血流を良くして体を内側からポカポカ温めてくれるうれしい素材です。昔から漢方薬として使われてきたことからも、その効能は折り紙付きです。

トウガラシの辛味成分カプサイシンもアドレナリンの分泌を促進して、発汗を促し、体を温めてくれます。そして、ともに、消化を助けたり、食欲増進に効果抜群。夏場だけでなく、冬にも上手にメニューに取り入れたい食材です。

今回はショウガをたっぷり使った肉豆腐、そして、旬の野菜である白菜を使い、レモンの酸味と唐辛子の辛味で食欲がそそられる「白菜のレモン漬け」を選びました。
日々の食事で、寒さと感染症に負けない健康な体を目指しましょう。

このページでご紹介するレシピ


ショウガの風味で肉豆腐がランクアップ
ショウガたっぷり肉豆腐

【材料】(2人分)
牛薄切り肉 150g/酒、しょうゆ 各少々/木綿豆腐 1丁/長ネギ 1本/シイタケ 2枚/油 大さじ1杯/おろしショウガ 大さじ2杯/水 カップ1/2杯

【調味料】
しょう油 大さじ2杯/酒、てんさい糖 各大さじ2杯/パイロゲン キャップ1杯/粗みじん切り唐辛子 少々

【作り方】

  1. 長ネギは3㎝の長さにぶつ切り、木綿豆腐は水切りして4等分に切ります。シイタケは石づきを取って半分に切ります。
  2. 牛薄切り肉は食べやすい大きさに切り、さっと湯通しします。
  3. 鍋に油を熱し、牛肉とネギを焼き、椎茸も入れて軽く火が通ったら、水とパイロゲン、調味料、おろしショウガ、豆腐を加えます。10分ほど煮て盛り付け、粗みじん切り唐辛子を振りかけていただきます。

長ネギ、木綿豆腐、シイタケはそれぞれ切りそろえておきましょう。

牛肉はさっと湯通ししておきます。

パイロゲンは調味料と同じタイミングで加えます。

簡単にできて、はしが止まらないおいしさ
白菜のレモン漬け

【材料】(2人分)
白菜 400g/塩 小さじ1杯/レモン 1個/きざみ昆布 ひとつまみ/鷹の爪 適量/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. 白菜は葉先と根元の部分を分け、葉先の方は一口大に、根元の方は3~4㎝の長さで1㎝幅に切ります。レモンは皮をこすり洗いして、薄いイチョウ切りにします。鷹の爪は種を取って、薄い輪切りにします。
  2. 保存袋に材料を混ぜながら入れ、塩とパイロゲンを全体になじむように揉んで、空気を抜き、密閉します。
  3. 保存袋の上下を途中で返しながら、1時間ほど浸けていただきます。そのまま冷蔵庫に入れて保存します(1週間ほど日持ちします)。

白菜は葉と根元で切り分け、切り方にも変化を。

パイロゲンの甘酸っぱさも味のアクセントに。

空気をしっかり抜いて、密閉しましょう。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌