少人数パーティーのお料理はお手軽さと華やかさを

星澤幸子の和食のチカラ 2022年11月-12月 パーティーメニュー


2022年もあと残すところ1か月となりました。一昨年、去年と、コロナ禍で忘年会やクリスマスパーティーなど大人数での飲食の機会が激減し、ちょっぴり寂しい師走でした。日々、感染者数の報道は目にしますが、旅行や飲食店の営業もほぼ通常の状況を取り戻し、今年は家族や親しい知人などとの少人数パーティーを企画している方も多いのではないでしょうか。

今月は、そんな少人数パーティーに重宝する、子どもから大人まで喜んでくれること間違いなしのメニューを紹介します。見た目の華やかさだけではなく、もちろん栄養面、さらにお手軽さも重視しました。

まずは「星澤流チーズフォンデュ」。材料の用意や作り方はいたって簡単、保温のためにホットプレートを使うので、みんなでテーブルを囲んでゆっくりとワイワイ楽しめます。野菜の苦手なお子さまもこれなら喜んでくれるはず。たんぱく質やカルシウムをはじめとするミネラルが豊富なチーズと、ビタミンを含む野菜の組み合わせですから、栄養面からもおすすめ料理です。

もう一品は、「帆立のカレーパエリア」です。これも食卓が盛り上がる主食にもなるメニュー。ホタテやアサリは、ビタミンB群やタウリン、また鉄分、亜鉛など不足しがちなミネラルが豊富な食材です。ビタミンB12と鉄分は貧血を予防する効果があり、タウリンは肝機能を正常化したり、コレステロール値や血圧を下げる効果も知られています。肝臓が疲れていたり、生活習慣病が気になる方々には大切な食材と言えます。また、カレー風味にしたことで、いつもとは一味違ったパエリアを楽しめます。

気の置けない仲間や家族で囲むにぎやかな食卓は、一年の締めくくりにふさわしい機会です。今年の12月は、アットホームなパーティーに、この「星澤流パーティーメニュー」を加えてみてください。

このページでご紹介するレシピ


ホットプレートでずっと熱々
星澤流チーズフォンデュ

【材料】(4人分)
シュレットチーズ 150g/小麦粉、片栗粉 各大さじ1/牛乳 カップ2杯/ニンニク 1片/白ワイン 大さじ2杯/ブロッコリー、ニンジン、ジャガイモ、セロリ、リンゴ、フランスパン 各適量

【作り方】

  1. 鍋に牛乳と皮をむいたニンニクを入れて温めます。小麦粉と片栗粉を混ぜてからシュレッドチーズにまぶし、温めた牛乳に少しずつ入れて溶かしてとろみをつけます。白ワインを加えて器に入れます。
  2. 具材の野菜とパンはひと口大に切り、ブロッコリー、ニンジン、ジャガイモは少々の油と塩を入れたお湯で茹でて火を通します。
  3. ホットプレートを熱してチーズソースの器、野菜、パンをのせ、フォークで刺してチーズをつけながらいただきます。

具材の野菜を下茹でするお湯には少量の油と塩を。

シュレットチーズには小麦粉と片栗粉をまぶしておく。

チーズソースの仕上げはパイロゲン。

カレー風味で大人も子どもも大喜び
帆立のカレーパエリア

【材料】(4人分)
米 2合/アサリ 150g/ベビーホタテ 100g/酒、コショウ 各少々/タマネギ 1/2個/ピーマン 1個/ミニトマト 4個/油 大さじ2杯/レモン 1個/米を浸していた水 カップ2杯

【調味料】(4人分)
カレー粉、酒 各大さじ1杯/塩、しょうゆ 各小さじ1杯/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. 米は炊く30分前に研いで、ひたひたに水に浸しておきます。タマネギはみじん切り、ピーマンは1㎝角に、トマトは半分に切ります。
    ベビーホタテは酒とコショウを振っておきます。アサリは殻をスポンジでよくこすり洗います。
  2. フライパンに油を熱して玉ねぎを炒め、フタをして透き通るまで弱火で蒸し煮します。そこにアサリ、ベビーホタテを加えて軽く炒めます。
  3. さらに米の水を切って加えて炒め、分量の米を浸していた水、調味料を入れ、時々、鍋底から混ぜながら煮ます。
  4. 材料が水分を含んだら、パイロゲンを入れ、フタをして極弱火で20分、ピーマンとミニトマトを散らして火を止めてさらに10分蒸らします。フライパンから取り分けていただきます。

蒸し焼きした玉ねぎにホタテと殻付きのアサリを。

お米が十分に水分を含むまで鍋底から混ぜながら。

材料が十分に水分を含んだらパイロゲンを。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌