星澤幸子の和食のチカラ 2025年8月- 9月 ナッツのおやつ
栄養豊富なヘルシーおやつが家族を救う
間食としておやつを召し上がる方が多いと思います。そこで今回はおやつについて考えてみましょう。みなさん、手軽な市販のスイーツやスナック菓子を選んでいませんか?
食べだしたら止まらなくなって、気づいたらひと袋全部食べてしまった、という話を耳にすることもあります。いくら毎日の食事に気を使って、ヘルシーな食生活を心がけていたとしても、間食でこうしたお菓子をたくさん食べていたら台無しです。
特にお子さんのおやつには注意しましょう。お菓子を習慣的に食べることによって、夕食時にはおなかが減っていなくて、ろくに食べられない、あるいは甘さ辛さがはっきりした味に慣れてしまった、そんなお子さんが多くなるのではと懸念しています。
そこで、今回は、豊富な植物性タンパク質や不飽和脂肪酸(オメガ3やオメガ6脂肪酸といった、人間が体内では作れない重要な脂肪酸)、さまざまなミネラルを含んでいるナッツで作るおやつをご紹介します。
「地中海食」という言葉を聞いたことのある方も多いと思います。イタリアやギリシャ、スペインなど地中海沿岸諸国の食事で、近年、心臓・血管疾患や糖尿病、認知症の予防にも効果があることで注目を集めています。その「地中海食」でもナッツは重要な食材であり、日々、積極的に摂取することが求められているのです。
ナッツとは木の実のことで、クルミやアーモンド、ピスタチオ、ヘーゼルナッツ、カシューナッツなどがあります。今回取り上げるピーナッツはマメ科の植物の種子、「豆」であり、厳密にはナッツではないのですが、その味や食感や栄養成分などがナッツと類似していることから、ナッツの仲間として扱われています。pea(豆)、nut(木の実)とまさにその名の通りの食材です。
ひとつ目のレシピは、「いりこナッツ」。カルシウムたっぷりの煮干しにピーナッツを合わせました。ピーナッツは、悪玉コレステロールを減らして心臓病のリスクを減らすと言われているオレイン酸やリノール酸などの不飽和脂肪酸、豊富なタンパク質、ビタミンEやビタミンB群、カリウム、マグネシウムなどのミネラル、さらに食物繊維やポリフェノールまで含む健康食材です。おやつにもお酒のおつまみにも最適な一品です。
次は、「きな粉ナッツバー」。こちらは良質な植物性タンパク質に食物繊維、鉄分、カルシウム、ビタミンB群、大豆イソフラボンや大豆サポニンが含まれているきな粉にクルミを合わせました。クルミもまた超優良健康食材で、ナッツ類ではもっとも多く前述のオメガ3脂肪酸を含み、やはりビタミンEやビタミンB群、マグネシウムや亜鉛、鉄分などのミネラル、さらにポリフェノールや食物繊維が含まれているのです。つまり、「きな粉ナッツバー」は栄養的に最強の抗酸化おやつと言えるかもしれません。
間食やおやつにひと手間かけたナッツの手作りおやつを楽しむことで、お子さんやご自身、ご家族の健康を守りましょう。
小腹がすいたら、あるいはお酒のおつまみに
いりこナッツ

【材料】(2人分)
煮干し(小) 50g
酒 大さじ2杯
ピーナッツ 50g
ショウガ 30g
白ごま 大さじ1杯
油 大さじ1杯
【調味料】
しょうゆ 大さじ1杯
てんさい糖 大さじ2杯
酢 大さじ1杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)

【作り方】
- 煮干しに酒を振りかけておき、ショウガは極細い千切りにします。
- フライパンに油を熱して煮干しを酒ごと入れ、ピーナッツも加え、香ばしくなるまで中火で炒ります。
- ショウガと調味料を②に加え、さらにパイロゲンを入れて混ぜながら水分が飛ぶまで炒め、最後に白ごまを加えて混ぜて、器に盛り付けます。

あらかじめ煮干しに酒を振りかけておく。

油を熱したフライパンに、振りかけた酒と一緒に煮干しを入れる。

ピーナッツを加えて香ばしくなるまで中火で炒ったら、ショウガと調味料を入れてさらに炒める。

仕上げにパイロゲンを加えて、水分が飛ぶまで炒める。
きな粉とクルミのヘルシー抗酸化おやつ
きな粉ナッツバー

【材料】(作りやすい分量)
きな粉 100g
ハチミツ 90g
クルミ 30g
レーズン 30g
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
(ポリ袋を1枚)

【作り方】
- クルミはポリ袋に入れて粗くつぶし、レーズン、きな粉を加えて混ぜます。
- ハチミツ、パイロゲンを加えて全体を混ぜます。
- ひとかたまりにまとまったら、ポリ袋の上からめん棒などで均等に1cmほどの厚さにのばし、食べやすい幅に切り分けます。

ポリ袋にクルミを入れて、めん棒などで荒くつぶす。

レーズン、きな粉を加えた後にはちみつを投入。

さらにパイロゲンも入れて全体を混ぜる。

1cmくらいの厚さに延ばし、食べやすい幅に切り分ける。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com