せめてご飯で旅行気分「味噌カツと深川めし」

星澤幸子の和食のチカラ 2021年5-6月 味噌カツ(名古屋)と深川めし(東京)


まだまだ、新型コロナウイルスの影響で、不要不急の外出を避けざるを得ない日常が続きます。旅行に出かけることもままならない状況であれば、せめて、おうちご飯で、全国各地の名物料理に挑戦してみてはいかがでしょうか。

今回取り上げるレシピは、名古屋と言えばの「味噌カツ」と東京深川の「深川めし」。
味噌は日本が誇る発酵食品。その味噌だれでいただくとんかつは、いつもと一味違った美味しさ。家族みんなでちょっとした旅行気分に浸れます。八丁味噌がなければ、赤味噌でも代用可能です。

「深川めし」は、東京深川の漁師めしとして誕生し、いまや東京の門前仲町や清澄白河界隈の名物料理です。アサリは、カルシウムやカリウム、亜鉛、鉄などのミネラルが豊富です。また、不足すると悪性貧血や慢性疲労を招くビタミンB12の含有量は貝のなかでもナンバーワン。栄養面で優れ、旅気分も大満足の一品です。
味噌でアサリとネギを煮て、熱々のご飯にかけて食べるタイプと、炊き込むタイプがありますが、今回は後者の方をご紹介。

ともに、旅のお供、駅弁でも人気のメニューです。旅気分を演出したメニューで、いつもの食卓に感動と驚きのアクセントを。

このページでご紹介するレシピ


名古屋めしの代表選手
味噌カツ

【材料】(2人分)
豚ロース肉とんかつ用 2枚/塩、コショウ 各少々/パイロゲン 適量/小麦粉、天衣(小麦粉を水で溶いたもの)、パン粉 各適量/揚げ油 適量

【味噌だれ】
八丁味噌又は赤味噌 大さじ2杯/みりん 大さじ3杯/水 大さじ3杯/とんかつソース 大さじ1杯/てんさい糖 大さじ1杯/練り辛子 小さじ1杯

【作り方】

  1. 豚肉は筋を切って、塩・コショウをしてパイロゲンを振りかけます。小麦粉、天衣、パン粉の順に付け、中温の油でゆっくりきつね色になるまで揚げます。
  2. 小鍋に味噌だれの調味料を入れ、よく混ぜながら一度沸騰させてツヤを出します。
  3. 器に付け合わせ野菜と1.5㎝幅に切ったカツを盛り、味噌だれをかけます。

豚肉は3,4か所、筋切りしておく。

味噌だれは、良く混ぜながらいったん煮沸させて。

栄養豊富な漁師めし
深川めし

【材料】(4人分)
米 2合/アサリ 200g(殻つきで)/ショウガ 1片/細切り昆布 ひとつまみ/パイロゲン キャップ1杯/万能ねぎ/酒 大さじ2杯/しょうゆ 大さじ1杯/塩 小さじ1/2杯

【作り方】

  1. 米は炊く30分前に研いで、分量の水と昆布を入れて浸しておきます。
  2. アサリは砂出しし、1つずつこすり洗いして米にのせ、ショウガの千切り、パイロゲン、調味料を加えて炊きます。
  3. 炊けたらすぐにヘラ返しし、器に盛ります。小口切りにした万能ねぎ、千切りにした昆布をあしらいます。

アサリは1つずつスポンジなどで、ていねいにこすり洗いを。

焚く際には、調味料といっしょにパイロゲンを加えて。

炊き上がったらすぐにへら返しします。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌