食物繊維たっぷりメニューで腸内環境を整える

星澤幸子の和食のチカラ 2023年1月-2月 日本伝統の食物繊維たっぷり食材


近年、食物繊維の重要性が話題にあがるようになりました。消化酵素で分解されずに腸まで届く食物繊維は、便秘解消のみならず、腸内細菌の大好物であることもわかってきました。そして腸内細菌が、私たちの健康にとって非常に大切な存在であることも、テレビをはじめさまざまなメディアで取り上げられています。

食物繊維は、野菜、キノコ、海藻などに豊富に含まれており、日本の伝統的な和食の食材はまさに食物繊維の宝庫なのです。私たちは、先人たちの優れた知恵に感謝すべきですね。

今回は、そんな食物繊維を含む代表的な食材のゴボウとこんにゃくを使ったレシピをご紹介します。
食物繊維には水に溶ける水溶性食物繊維と、溶けない不溶性食物繊維があります。水溶性食物繊維は、腸内細菌の善玉菌の餌になります。また、食後の血糖値の上昇を緩やかにしたり、余分なコレステロールや塩分を体外に排出してくれます。不溶性食物繊維は、水分を吸収してふくらみ、腸を刺激して便通をよくしてくれます。腸をお掃除してくれるありがたい存在なのです。

ゴボウからは、水溶性、不溶性の両方の食物繊維を摂れて、さらに不足しがちなミネラルであるカルシウム、マグネシウム、リンも期待できます。今回はやはり重要なミネラルである亜鉛が豊富な冬の味覚、牡蠣(カキ)と合わせました。

また、こんにゃくは豊富な不溶性食物繊維のほかに、カリウム、カルシウム、鉄といったミネラルを含んでいます。そのうえ低カロリーがうれしいヘルシー食材です。いつもとは一味違ったチリソースで召し上がってください。

ご家族と自らの健康のために、食物繊維を豊富に含んだ食材を日々の食卓に積極的に取り入れていきましょう。

このページでご紹介するレシピ


身体が喜ぶ冬のヘルシー炊き込みご飯
牡蠣とゴボウの炊き込みご飯

【材料】(4人分)
米 2合/水+牡蠣の煮汁 2合/牡蠣むき身 150g/塩 適量/ゴボウ 1本/ニンジン 50g/ショウガ 1片/油 大さじ1杯

【作り方】

  1. 米は炊く30分前にといで、水に浸しておきます。
  2. 牡蠣は塩でもみ洗いし、水ですすいで水切りします。ゴボウは皮をこすり洗いして、ささがきにし何度か水を取り替えてあく抜きします。ニンジン、ショウガは千切りにします。
  3. 土鍋に油を入れて熱し、ゴボウをゆっくり炒めます。ニンジン、ショウガ、調味料、水を入れて5分程煮てから、牡蠣とパイロゲンを入れてさらに3分ほど煮ます。そのまま冷まして味を染みこませ、牡蠣と煮汁をそれぞれ別に取り出します。煮汁と米の浸し水を合わせて2合にします。
  4. 土鍋に残った具に米と2合にした煮汁を加えて沸騰させ、水気が無くなったら蓋をして極弱い火で20分炊きます。火を止めて牡蠣をのせて10分程蒸らしてへらで返します。お好みで青のりをあしらいます。

牡蠣に火を通す直前にパイロゲンを。

炊きあがったら牡蠣をのせて、さらに10分間ほど蒸らします。

チリソースでこんにゃくが大変身
こんにゃくチリソース

【材料】(2人分)
こんにゃく 1丁/塩 少々/長ネギ 1/2本/ニンニク、ショウガ 1片/油 大さじ1/2杯/水 カップ1/2杯

【調味料】
トマトケチャップ 大さじ4杯/酒、しょうゆ 大さじ1杯/豆板醤 小さじ1/2杯/パイロゲン キャップ1杯/水溶き片栗粉 少々

【作り方】

  1. こんにゃくは塩でもんでから洗い、スプーンで一口大にそぎます。長ネギ、ニンニク、ショウガはみじん切りにします。長ネギの青身は小口切りにします。
  2. 調味料とパイロゲンは混ぜ合わせておきます。
  3. フライパンでコンニャクをから炒りします。水気がとんだら、油、長ネギ、ニンニク、ショウガを入れて炒めます。
  4. ニンニクの香りが立ったら調味料を入れて混ぜ、分量の水と水溶き片栗粉を加えてトロミをつけて仕上げます。器に盛りつけ、長ネギの青身をあしらいます。

こんにゃくはスプーンを使って一口大に。

調味料にはあらかじめパイロゲンを混ぜておいて。

こんにゃくから水気が飛んだら、油とみじん切りにした材料を加えて炒めます。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com


レシピ撮影/大滝恭昌