タイタンビカスの新品種

AKATSUKA グリーン通信vol.268 　2021.7月号

タイタンビカスは赤塚植物園が生み出した大型の宿根草で、人の背丈を超えて茂り、夏の間に数百輪の花を咲かせることで大人気です。

当初のシリーズは草丈が2mを超えるトールタイプでしたが徐々に小型化を進め、草丈が1mほどのショートタイプのイカロスや、60cmほどのキッズシリーズがラインナップとして加わっています。そして今年はピンクのカシオペアが新品種として加わりました。

カシオペアはイカロスと同じ1mほどに収まるショートタイプで、非常にすっきりしたピンクの大輪花を咲かせてくれます。ピンク系の中では開花も早く、大輪の花がたくさん咲きます。花弁の表面が滑らかで癖がなく、上品な雰囲気が魅力です。
このショートタイプは大型宿根草としての迫力を失わず、なおかつ扱いやすいサイズなので色々な場所で楽しめると思います。

カシオペア

実はこれ以外にも現在増殖中の新品種がいくつかあり、うまくいけば2022年にリリースできるので、ここでご紹介しておきましょう。

【シルフィード】
草丈は1mほどのショートタイプで、目のない純白の花を咲かせます。いわばエルフのショートバージョンといったところです。モミジのように割れた葉は明るい緑色で光沢がありさわやかです。大げさな支柱は不要で、涼しげな純白の花を夏中楽しめます。「シルフィード」は風の精「シルフ」の女性形で、さわやかなその姿から名付けました。

シルフィード

【ヘルメス】
白い花弁にくっきりとした赤い目が入るショートタイプの花で、配色としてはピーチホワイトに似ていますが、ほぼ純白と言える花色が鮮明で、赤い目が鮮やかに目立ちます。花はやや小さめですが多花性で次々と咲くその姿からギリシャ神話に登場し神々の間を軽快に飛び回る伝令神「ヘルメス」の名を付けました。

ヘルメス

【ジュノー】
直径24cmにもなるビッグサイズの花で、ウラノスに次ぐ巨大輪は迫力満点です。ウラノスの花色は濃いローズレッドですが、ジュノーはネオン系のローズピンクで明るい色調なのが特長です。ただしトールタイプなので、2m程度の支柱が必要となります。
「ジュノー」はギリシャ神話の主神ゼウスの正妻にして神々の女王である「ヘラ」の英語名で、堂々とした立ち姿に迫力のある巨大輪の花を付けるところからその名を付けました。リリースに先行して通販サイトではすでに販売していましたが、店頭でも販売することになりました。

ジュノー

【ピーターパン】
レッドの後継品種で、レッドより生育が良くなり、こんもりと茂ります。

ピーターパン

【ティンカーベル】
ブラッシュピンクの後継品種で、花色はより白に近くなりピーターパンとほぼ大きさがそろいます。

ティンカーベル

【ウェンディ】
キッズシリーズのピンクの花で、やや底白気味のとてもかわいい花を咲かせてくれます。

ウェンディ

文／倉林雪夫

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