星澤幸子の和食のチカラ 2025年11月- 12月 見た目華やかでお手軽なハレの日レシピ
星澤風「感謝祭インスパイア」メニュー
今年、2025年も残すところあと1ヵ月となりました。11月末には街中やインターネットでブラックフライデーセールの文字が踊りました。
ブラックフライデーとは11月の第4木曜日、アメリカの感謝祭(サンクスギビングデー)の翌日の金曜日のことだそうです。その日に小売店が感謝祭の在庫一掃セールを行ったことから広まり、今や世界各地でブラックフライデーセールが行われています。
日本では2014年にアメリカ発祥のおもちゃチェーン「トイザらス」がブラックフライデーセールを始めたのが最初だそうですが、この数年はAmazonなどのECサイトを中心にかなり盛り上がっている印象ですね。
アメリカでは、感謝祭とブラックフライデー、さらにはその週のウイークエンドを合わせて4日間が休日になる企業や学校がほとんどで、特に感謝祭は、収穫の恵みに感謝して、家族や親せき、仲間たちと食卓を囲むとても大切な日なのだそうです。
感謝祭のメインのお料理と言えば、ローストターキー、七面鳥です。また、スタッフィングと呼ばれる料理(角切りにしたパンや野菜、ハーブを七面鳥に詰めてローストしたり、別途調理して付け合わせとしていただく)やハッシュポテトも欠かせません。また、デザートにはシナモンなどのスパイスが効いたパンプキンパイが定番なのだとか。
今回は、この感謝祭メニューをちょっとしたヒントにして、星澤風のご家族やお仲間での団らんメニューをご紹介します。
まずメインは、鳥の手羽先を使った「手羽先のイタリアン風焼き」です。仕上げに野沢菜とトマト、さらにはおしょうゆを加えて炒めることで、和風の塩味、酸味、うま味のハーモニーが味わえます。材料費はリーゾナブルでお財布にやさしい、彩鮮やかなハレの日レシピです。
そして、デザートは「さつまいものモンブラン風」。食物繊維やビタミンが豊富な健康食材、サツマイモを使って、さらにはシナモンを効かせてみました。お手軽なのに、見た目は華やかなモンブラン風。ご家族そろっての、あるいは気の置けない友人たちとの食事のエンディングが盛り上がりそうですね。
「孤食」という言葉を耳にするようになって、かなりの時間が経過したような気がします。この言葉は1970年代に生まれ、80年代には社会問題化しています。ということは、今の40代の人たちにとっては、生まれた時から当たり前の食卓の風景だったことになります。一人暮らしの方の普段の食事は仕方がありませんが、家族がいても、それぞれのスケジュールで行動するために、結果的に孤食になってしまうケースが多いと思います。
時には、アメリカの感謝祭にならって、準備にも楽しく時間をかけ、家族や親せきがそろってにぎやかに食卓を囲む、そんな特別な一日を過ごしたいものですね。
12月に入ると街はクリスマス一色となり、その後はあっという間に年末年始です。みなさん、ご家族や友人たちと過ごす機会が増えることと思います。次回のメニューもそんなときのための、おもてなしレシピをご紹介する予定です。
このページでご紹介するレシピ
じつは野沢菜の塩味と酸味、うま味が隠し味
手羽先のイタリアン風焼き
【材料】(2人分)
鶏手羽先 8本
塩、コショウ 各少々
タマネギ 1/4個
ニンニク 2片
油 大さじ2杯
酒 大さじ2杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
ミニトマト 6個
野沢菜漬け 30g
【調味料】
しょうゆ 小さじ1杯
黒コショウ 少々
【作り方】
- 鶏手羽先の先端を切り落とし、骨の中心に包丁して切れ目を入れます。塩、コショウをしてもみ、さらに小麦粉をまぶします。
- タマネギは1cm四方に切り、ニンニクは薄切り、野沢菜漬けは小口切りにします。
- フライパンに油を熱し、ニンニクを焼いて香りを出してから、手羽先を入れて両面焼きます。タマネギを加え、油を絡ませてから酒とパイロゲンをふって蒸し焼きにします。
- 手羽先に火が通ったら、ミニトマトと野沢菜漬けを加えて炒め、しょうゆを加えてからめ、器に盛って黒コショウをふります。

手羽先の骨を中心に包丁を入れて切れ目をつけておく。

手羽先の両面を焼いてから、お酒とパイロゲンで蒸し焼きに。

蒸し焼きで十分に手羽先に火が通ったら、野沢菜とトマトを加えて炒める。
食物繊維とビタミン豊富なヘルシーお手軽デザート
さつまいものモンブラン風
【材料】(6個分)
サツマイモ 300g
砂糖(上白糖) 50g
バター 大さじ2杯
シナモンパウダー 小さじ1杯
パイロゲン キャップ1杯(約5.5ml)
クッキー 4~6枚
水 大さじ2杯
ケーキカップ 4~6枚
粉砂糖 少々
【作り方】
- サツマイモは皮を剥いて1cmの厚さに切り、イモが半分隠れるくらいの水で煮て、水気を飛ばします。
- サツマイモがあたたかいうちにきめ細かく潰し、砂糖、バター、シナモン、パイロゲンを入れて混ぜます。
- クッキーは水をくぐらせてから、ケーキカップの底に入れます。
- サツマイモをラップで山高に形を作ってからクッキーの上にのせ、フォークを使って形を整え、粉砂糖を少しふります。

サツマイモはあたたかいうちに、きめ細かく潰す。

砂糖、バター、シナモン、さらにパイロゲンを加えて混ぜる。

クッキーは水をくぐらせてから、ケーキカップの底に入れる。
星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん
料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。
星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com










