夏野菜の代表、トマトのリコピンで免疫力アップ

星澤幸子の和食のチカラ 2020年8月 トマト


昨年(2019年)の夏にもトマトを使ったレシピを紹介しましたが、感染症の脅威がささやかれる昨今、免疫力アップのために、今年もトマトのお料理をご紹介します。

トマトの赤い色の成分であるリコピンは、強力な抗酸化作用を持ち、老化やがん、生活習慣病の原因にもなる活性酸素に対する強力な武器となります。免疫をつかさどる細胞をまもり、病を遠ざけてくれるうれしい成分なのです。
また、肌のトラブルや老化を防ぐ役割を持つランゲルハンス細胞という免疫細胞を活性化してくれるので、特に女性には見逃せない美肌効果も期待できます。
このリコピンは、熱に強く、油との相性もいい、トマトを使ったパスタや煮込み料理は理にかなったお料理とも言えます。
トマトには、ほかにも、βカロテン、ビタミンC、ビタミンEも豊富。これらもまた強い抗酸化力を持ち、免疫力強化の強い味方です。

家族とご自身の健康を考えて、トマトを使ったお料理のレパートリーを増やしてはいかがでしょう。


簡単なのに栄養満点のトマト料理
トマトと卵の炒めもの

【材料】(2人分)
トマト 赤玉1個/卵 3個/塩 少々/コショウ 少々/ショウガ 1片/ニンニク 1片/乾燥キクラゲ 3g/ごま油 大さじ1(半分づつ2回にわけて使用)

【調味料】
塩 小さじ1/4杯/酒 大さじ1杯/コショウ 少々/パイロゲン キャップ1杯

【作り方】

  1. トマトはひと口大のくし形に切ります。卵は溶きほぐして、塩とコショウで下味をつけておきます。キクラゲはお湯で戻して一口大にちぎり、ショウガは千切りにします。
  2. フライパンにごま油を熱して卵を流し入れ、ゆっくり混ぜて炒り卵を作り、皿に取ります。
  3. ごま油を足してショウガ、キクラゲを炒めて香りを出し、強い火でトマトをサッと焼いて卵を戻して絡め、調味料とパイロゲンを加えて混ぜ、パセリのみじん切をあしらいます。

ゆっくり混ぜて半熟炒り卵を目指そう。

トマトは強火で短時間炒める。火を通しすぎないように。

調味料といっしょにパイロゲンを加えて全体に絡める。

トマトソースの酸味が夏野菜をさらに美味しく
ひき肉のナス包み・トマトソース

【材料】(2人分)
ナス 2本/油 大さじ1/2杯/豚ひき肉 50g

【調味料】
塩 少々/コショウ 少々/しょうゆ 少々/パイロゲン 少々/玉ネギ 1/4個

【トマトソース】
完熟トマト 1個(200g程度)/塩 少々/コショウ 少々/オリーブオイル 大さじ1杯/ウスターソース 小さじ1杯/パセリみじん切り 少々

【作り方】

  1. ナスはへたを取って縦半分に切り、水ですすいでから、フライパンに油を引き、皮目から色よく焼きます。焼いたナスは皮を傷つけずに、中身をスプーンでくりぬいて、包丁でたたきます。
  2. 玉ネギはみじん切にして、ひき肉と叩いたナスの中味と調味料、パイロゲンを混ぜます。
  3. 耐熱の器にナスの皮表を下にして敷き、②を入れてしっかり詰めてからオーブントースターで15分ほど焼いて火を通します。
  4. トマトは1㎝角に切り、ソースの調味料を全部合わせ、皿に取り出した、ひき肉のナス包みに添えて、パセリのみじん切りをあしらいます。

ナスの皮を傷つけないように注意しよう。

パイロゲンはナスの皮に詰めるあんに使う。

トマトソースは火を使わず混ぜるだけなので簡単で美味。


星澤幸子(ほしざわ さちこ)さん

料理研究家。北海道南富良野町生まれ。札幌テレビ「どさんこワイド」の料理コーナー「奥様ここでもう一品」に25年毎日出演し、北海道の素材にこだわったお手軽な料理を紹介。その出演回数は現在もギネス記録を更新中。2009年「東久邇宮文化勲章」を受賞。著書は『あなたに贈る食の玉手箱』(ワニ・プラス)他多数。

星澤クッキングスタジオ公式サイト
http://www.hoshizawa-s.com

 

 


レシピ撮影/大滝恭昌